宮廷神官物語 双璧の王子/ 榎田ユウリ

本の感想, 作者名 あ行榎田ユウリ

藍晶と王位継承争いを繰り広げることになってしまった曹鉄は、天青と引き離され王母の住まう離宮に隔離されていた。天青は曹鉄の置かれた状況に心を痛めるが、曹鉄にはなくなった母親とよく似た婚約者候補まで現れるなど確実に外堀が埋められていく。

信頼する仲間同士で争うことになって、読んでて辛い。

王位継承争いが勃発した麗虎国。今まで仲間だった二人が争うことになり、天青が右往左往してしまうお話だったのですが、もうこれ読んでいて切なかったわ!曹鉄を担ぎあげている二人とその神輿を一緒に担ごうとするご令嬢はわかりやすく藍晶に敵対する方々なので、丸め込まれている曹鉄を読んでいるのが辛くて。恩その他のしがらみがあってなかなかうまいこと行かないのはよく分かるのですが、こう、やきもきしてしまうといいましょうか。天青から見れば曹鉄を突き放しているように見える鶏冠の態度も、鶏冠が曹鉄を慮る気持を押し殺しての態度でこれまた辛い。
そして我らが櫻嵐さまの曹鉄に対するイライラに少々笑ってしまいました。そ、そうだったんだ……!(いやそれはそれでありかなーというかなんというか、こういうの好きですが)

曹鉄を祭り上げている彼の方の執念はかなり深いものののようで、果たして友情パワーは彼の方の思惑に打ち勝つことができるのか。続きも楽しみです。

宮廷神官物語 双璧の王子
榎田ユウリ/カトーナオ
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