聖鐘の乙女 星の剣と魚の子守唄 / 本宮ことは

本の感想, 作者名 ま行本宮ことは

何者かによるサリアンの襲撃に巻き込まれたアティをかばい、ネイトは怪我をしてしまう。父親の遺品の捜索と男装生活に無理を感じ始めていたアティは、学園を離れサリアンの館で休養することになったネイトに付き添い、アティは学園を離れる。

アティ、おそろしいこ……。

シリーズ12冊目、かなり良い感じにクライマックス感が漂う聖鐘の乙女の最新刊です。今回はやさぐれるネイトさんが素晴らしゅうございました。やさぐれすぎて丁寧語がうっかり崩れているところに非常にロマンを感じました。普段丁寧語なのに口調が乱れるネイトさん……これにロマンを感じずにいつロマンを感じればいいのでしょうか。今回の主題はネイトさんと攻めに転じたアティのあれやこれやにぎゃーっとなること、だとは思うのですが、アティの恐ろしさのお陰で色気ゼロ。恐ろしい子だ。

アティの父の遺品関係も少し前進、そしてジェッツの「雇い主」があかされ、こちらは言われてみればそうなんだけどそうだったのか!と考えても見なかったので結構驚き、次もいろいろ楽しみです。さあ、ネイトさん早く観念して!

聖鐘の乙女 星の剣と魚の子守唄
本宮ことは/明咲トウル
一迅社アイリス文庫(2013.02)
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