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霧の都の恋人たち / 小田菜摘

新聞記者である伯母の影響で職業婦人に憧れ、ジェントリの娘ながら看護婦として働くアデライドはその不器用な性格から友人がいなかった。そんな彼女に任されたのは、極秘で入院しているエスニア公国の公子クリスティアンの担当。医者や看護婦のいうことを全く聞こうとしないクリスティアンにいらだちを覚えるアデライドだが、彼の公子としての姿勢に感銘を受け彼が無理をして夜会に出るという事態をサポートすることになる。

これは、結構好きな部類だなぁ。

女性が社会に進出し始めたくらいのイギリスを舞台にした、看護婦のアデライドと王子様のクリスティアンの身分差恋物語、楽しかったです。最初はこの二人に恋が芽生えるのか(ツンデレとツンデレ)という展開だったんですが、お互い認め合った後はなんだか微笑ましくてですねぇ……。ストレートなクリスティアンの物言いにあたふたするアデライドは可愛いし、自分の気持ちに気付いて「霧が晴れた」アデライドの場面なんか、すごく「少女小説って、いいですねっっっっ!」という展開で楽しかったです。
近代医療の幕開けの時代でもあるので、(この辺詳しくないので)一部誇張もあるかもしれませんが医療関係のうんちくもわりと楽しく読めて、このあたりの「硬さ」が小田さんらしいなぁ、と思いました。私こういうの、嫌いじゃないです。硬さがあるから柔らかい部分も美味しいんですよ派なもんで。

お話自体は、この本が今年の2月に出ていることを考えるとこれで完結、なのかな?確かに終わっているといえば終わってるんだけど、続きも読みたいといえば読みたい……かもしれない。いやでもこの身分差の壁は大きいしなぁ、成就するところまで読んでしまうとそれはそれでちょっと拍子抜け、かもしれないしなぁ(と、続きが読みたいかと考えれば、何ともいえないモヤモヤを感じてしまう)。しかし、この終わり方は好き!なんですが、でも、なんか物足りないというのも事実で……。と、表現するのが難しい思いを抱えておりますが、全般的にはわたし好みのお話でした。

霧の都の恋人たち
小田菜摘/氷堂れん
集英社コバルト文庫(2013.02)
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