おこぼれ姫と円卓の騎士 伯爵の切札 / 石田リンネ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行石田リンネ

外交問題が一旦落ち着いたレティは、ウィラードとマリアンネの二人を騎士に迎えるべく画策を開始するが、レティの勧誘に対しふたりとも開口一番にと「個人的な事情」と「多忙」を理由にレティの申し出を断ってくる。そんな中、数年前から騎士団が中心となって取り組んでいるとある大規模作戦の決行が近づき、ウィラードとマリアンネそれぞれからその作戦にレティ本人が協力すれば騎士になる、という条件を提示される。

相変わらず面白いですねぇ、このシリーズ。

しばらく国外問題が続いたおこぼれ姫、ソルヴェールに戻って六人目、七人目の騎士の勧誘に向かうが果たして!というお話で相変わらずレティが男前でかっこよかったです。いいなぁ、男前な王女様はいいなぁ。しかも、今回は初の女性騎士(候補)ということで、(個人的に)女性騎士を待っていたため読むのにも力が入ります。

昔からのレティの「同志」である未亡人マリアンヌ、レティの結婚相手候補になったこともあるが年齢一桁以外は対象外のウィラードと、それぞれの背景が面白くて思わず一気読みをしてしまいました。マリアンヌはちょっとしたレティの反応から、男ドモが気づかないレティの心を読み取ってしまうあたりはさすがだなぁ、と。いいね、女性は!そして、ウィラードはなんのかんのと主要メンツの中でいちばん「まとも」な恋愛をしてるところがなんとも!これはギャップもえか(笑)。

そして、騎士以外にも(個人的に待っていた)レティの腹心侍女が誕生するフラグが立ち、レティが自分の感情を押さえて取らないんだろうなぁ、と思っていた選択肢を取る可能性?まで出てきてと盛り沢山でした。今回はレティの騎士たちには(ノーザルツ公を除いて)それぞれ見せ場が、見せ場がありましたね……ノーザルツ公の出番がなくてもすごく楽しかったのですが、次巻ではノーザルツ公の活躍を期待しております。

おこぼれ姫と円卓の騎士 伯爵の切札
石田リンネ/起屋一子
ビーズログ文庫(2014.01)
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