西の末裔 応えよ、追憶に眠る者 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

皇帝の命をうけ、羅刹の呪いのかかった仏像と巻物を捨てる旅に出ることになった青蓮達は、旅に出ると見せかけて巻物を狙う謎の灰色道士を罠にかけることに成功した。灰色道士を捕縛したものの、道中の村に羅刹の呪いに冒されているという情報を得た一行は、呪いを解呪するために急遽その村に向かうが……

思っていたより序盤で過去関係はさっぱりしちゃった。

三蔵法師のお弟子さんが旅に出るシリーズなんです、が……まだ本格的な旅に出ておりません。今回は謎に包まれた敵を罠にかけるお話+幼いころの記憶を失っている青蓮が記憶を取り戻すお話+実は青蓮と黒麒は顔なじみだったよ!というお話。青蓮の過去はもうちょっと引っ張るのかなぁ、とおもっていたらあっさり方がついちゃいましたね。まだなぜ彼が狙われているのか、というところははっきりしていないのですが。

今回もマスコット猿の茶々ちゃんが優秀でしたねー。神のお使いと思われる彼女の奮闘でこの物語が動いていると行っても過言ではないくらい優秀です。対して他のメインキャクターはまだちょっと距離感を掴みかねているところで、しかもひとりはすねちゃってるしと少々ストレスがたまる展開ではありましたが、だんだん「仲間」になってくる、というこの空気感はたまりませんねー。さて、もうそろそろ本格的に旅に出られるのかな?

西の末裔 応えよ、追憶に眠る者
村田栞/霜月かいり
角川ビーンズ文庫(2014.02)
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