鳳龍彩華伝 寿ぎの姫と西に咲く花 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

遠い西のファルバールに嫁いだ鳳龍国公主ルィンの出産祝いのために、流星とともにファルバールを訪れたユァン。遠縁でもあるルィンとユァンはそっくりな容姿をしており、ユァンは命を狙われていルィンの身代わりを申し出る。一方、ユァンをファルバールに呼び寄せたルィンは、ユァンをとある理由からファルバールに止めようと画策をするが、それに気付いた流星はルィンの策略を阻止しようとする。

女性は強くなるなぁ、と。

読み切りかな、と思ったら続きが出たシリーズ二冊目。無事婚約したユァンと流星が、外交のために砂漠を越えて西の国に向かい、そこでトラブルに巻き込まれるお話。今回のある意味の敵は策士ルィン様。見た目はそっくりでも、真っ直ぐなユァンとちょっとひねくれているルィン、女性陣のそれぞれの芯の強さが光ったお話だなぁと思いました。どちらのあり方も正しくて、そして芯が強くないと取れない行動だと思います。そして、婚約したお陰で終始アツアツモードの流星とユァンのあれこれに、ごちそうさま、と……。いやー、山あり谷ありで乗り越えた二人はつよいなぁ。

最後の最後のオチ的な所にそれは便利過ぎる!と思わず突っ込みましたが、それを含めて丸く収まって良かったねぇというお話でした。

鳳龍彩華伝 寿ぎの姫と西に咲く花
九月文/伊藤十明
一迅社文庫アイリス(2014.02)
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