左遷も悪くない / 霧島まるは

本の感想, お気に入り, 作者名 か行霧島まるは

都の上層部に目をつけられ、地方都市に左遷されてきたウリセスは、父親がウリセスに助けられたというレーアと結婚することになる。結婚当日まで顔すら合わせなかった二人だが、不器用ながらも少しずつ夫婦になっていく二人に、レーアの兄弟とウリセスの兄妹が様々な騒動を引き起こす。

おもしろかったー!不器用なふたりにほっこりした。

ネット連載作品の書籍化。面白いよーという評判は随分前から聞いていましたが、今になってようやく書籍版を読みました。そしてすごく面白かったので書籍版を読み終わった後にネットに掲載されている続きをその足で読んでいるという(そのため、書籍掲載のエピソードなのかその続編のエピソードなのか、脳内の分類が若干怪しいです)。その続きも5月末に一部書籍化とのこと。めでたい。

強面で有能で真っ直ぐで、戦時中は重宝されたが休戦状態になるととたんに疎まれ命の危険まであったということで地方に飛ばされてきた有能な軍人さんと、父親から軍人さんの話を吹きこまれており憧れをとともに嫁いできたお嫁さんのこの二人のやりとりが、ね。なんかほっこりするわー。ウリセスがなんやかんやとかなり初期に実はお嫁さんにベタボレではないか……というちょっとしたエピソードの数々が面白く、そしてレーアの騒がしい兄弟の騒がしいトラブルや、ウリセスの妹がもたらす騒動のあれこれが、もうね。決して派手なところがあるお話ではないのですが、なんでもない日常が積み重ねられて、夫婦やその兄弟がだんだん「家族」になっていく様子がいいなぁと思える構成で、そして読んだ後はほっこり幸せ気分になれるお話でええものを読みました。続刊も楽しみ。

左遷も悪くない
霧島まるは/トリ
アルファポリス(2013.12)
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