贅沢な身の上 ときめきと巡り逢いの環を胸に! / 我鳥彩子

本の感想, 作者名 や~わ行・他我鳥彩子

鳴鳴の素性が明らかになり、手元に残しておきたい皇太后の思惑で早速鳴鳴の縁談が進められることになってしまう。鳴鳴の意思に反してする展開に怒る花蓮は天綸との絶好を申し渡すが、天綸も皇太后に逆らうことができず……

侍女殿と宰相殿が……!(ふたたび

クライマックス一歩手前の一冊、鳴鳴のアレコレの決着編でした。ありゃー、こんなきれいに収まっちゃって(大歓迎ですが)という少女小説的展開に終始ニヤニヤし、宰相さまったら!とツッコミを入れずに入られませんでした。確かにこれが一番スッキリした落とし所なんだけど、あの宰相様がですよ、外堀を自分で埋めちゃってるんですよ。絶対他に回避方法もあったはずなのに、ねぇ(にやにや)。この二人はぜひとも数年後の姿を見てみたいんだけど、そういうおまけはないものでしょうか!鳴鳴をめぐるドタバタに、過去のゲストキャラのフラグまで回収してしまってすごく「騒がしい」展開だったんですが、まー、これが、「贅沢な身の上」の醍醐味とでもいいましょうか。うまくまとまってよかったねぇ、と。
そういえば、最近の陛下があんまり残念じゃなくてちょっと物足りないような、花蓮と陛下のやりとりが楽しいような、そんな微妙な読者の心境。最後の最後にピンチに陥っている花蓮ですが、まー、あの子なのでそんなに心配は……するだけ無駄というか(笑)。最後は連続刊行で最終巻、らしいので楽しみにしています。

贅沢な身の上 ときめきと巡り逢いの環を胸に!
我鳥彩子/犀川夏生
集英社コバルト文庫(2014.03)
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