リリー骨董店の白雪姫 トワイライト・ルビーの夜明け / 白川紺子

作者名 さ行白川紺子

ジェレミーへの想いを自覚したものの、マーチ家の呪いのことを考えると素直になれないクレアはジェレミーに冷たい態度を取ってしまう。そんな中、ブラウン四姉妹に誘われて参加したお茶会で<エデン・ブルー>の手がかりを得たクレアは、セドリックやジェレミー兄弟らとともにニューフォレストに向かう。

最後までいいお兄ちゃんでした!

アンティークジュエリー<レディ・アン・ジュエル>に込められた「呪い」の手がかりを探す伯爵令嬢と、令嬢に恋しちゃった伯爵家の三男の物語、三冊目にして最終巻。ちょっと駆け足気味でしたが、きれいにまとまったよい最終巻だったなぁと思いました。レディ・アンの真相については思っていたよりも切ないもので、クレアの代で無事報われて良かったねぇ、と少々しんみりしてしまいました。

それにしても、お兄ちゃんですよ。四人の中で一番年長のバートさんが「みんなのお兄ちゃん」の立ち位置を不動のものとしていますが、そのお兄ちゃんに諭されるジェレミーくんとセドリックくんが、よいものでした。バートお兄ちゃん、さすがだな。素直になれない弟たちを諭すバートさん、かっこいいわ(笑)。そして、女の子がきゃっきゃとかわいいシーンも良かったなぁ。本編終了後にあったちょっとほっこりする短編なんかも良かったし(しかし、ジェレミーは色々と面倒くさそうだ)、総じてよい少女小説でした。読めてよかった!

リリー骨董店の白雪姫 トワイライト・ルビーの夜明け
白川紺子/宵マチ
集英社コバルト文庫(2013.12)
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