女神と棺の手帳 輝ける紅玉の夢 / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

イーノットと突如連絡が取れなくなってしまったケイトだが、大学での勉強は容赦なく進んでいき、イーノットと会えない日々が続いていた。そんな中、ケイトとリオは帰宅途中にケイトに対し「棺の手帳」を要求する少年を保護する。「革命派」の首謀者の息子ということを聞き出したふたりは、イーノットを頼り軍部に向かうことにする。

イーノットさんったら。

前回、「ちょっとイーノットさん、そこはフォローしとかないと!」というひきだったシリーズ最終巻。しっかりとイーノットさんの事情にもフォローが入り、リオくんはリオくんで玉砕しながらもケイトといいコンビで……ほんとうにケイトは周りに恵まれてよかったねぇ、という最終巻でした。なんで君たちそうやって確実に危ない所に首を突っ込むかなぁ、と思わず突っ込みたくなりますが、そうでもしないとイーノットさん出てこないし(笑)、いやまあそこは突っ込むところじゃないので……。
お話は綺麗に大団円で、そこからまた「後日談」があってとてもよいものでした。イーノットさん、我慢しなくなった途端ベタボレモード全開で、英雄がこれでいいんかいとニヤニヤしてしまうあれとかこれに少女小説ってよいものですね、とひとりで納得していました。

頑張る女の子に反目しつつも親友となる青年、そして見守る軍人さんといろいろと美味しい要素てんこ盛りの素敵なお話だったので、また次の作品も楽しみです。

女神と棺の手帳 輝ける紅玉の夢
文野あかね/高星麻子
角川ビーンズ文庫(2014.08)
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