眠り姫とガラスの靴の夢 ハーフ・クラウン / 御永真幸

本の感想, 作者名 ま行御永真幸

レイジェルド王国に新しい学院が設立されることとなったが、女性の入学は認められていなかった。なんとかして女性の入学者の実績をつくろうと画策するユフィの前に、難問をさらりと回答する謎の女性が現れユフィは彼女に期待をかける。しかし、学院の最大のスポンサーで理事長でもあるクロスバイン公爵は女性に門戸を開くことに対して非常に消極的であった。

こ、これは……!(今回のゲストキャラのあれこれに転んだ

ハーフ・クラウンの三冊目は、ユフィが王妃らしくあろうとちょっと悩むことと、そして学びの園への女性入学問題についてなんですが、この学院関係のお話が、お話が(非常にツボでした)。
謎の天才・シャロンに学院に入学してもらおうと画策するユフィだが、当の本人も公爵オリヴィエも乗り気ではない。そしてシャロンとオリヴィエの過去の因縁が……というところなんですが、オリヴィエの俺様ぶりというかそりゃこだわるよなーというところと、シャロンのたくましさが光ったお話でした。このふたりのじれじれっぷりが素晴らしい。シャロンがメイド同然の扱いを受けていたところの顛末や、そ、そのオチでいいのオリヴィエ!というところ若干釈然としませんが(前者と後者は違う意味での「釈然としなささ」で、後者はどちらかと言えばおつかれさん、という意味合いが強いんだけど)それでもこのふたりの独特な関係に少々ニヤッとしてしまいました。これはこの後フォローがあるのかそれともあのエピローグでおわりなのか、気になります。

にやっとといえば、ユフィの侍女兼親友のエリカちゃんのあれこれも。あるいみこれは周りが誤解しているという展開だと思うんだけど、どうなるのかなー。ユフィとヴィンセントは心配しなくてもたぶん大丈夫なので、エリカちゃんの恋模様がうまくいくよう期待しています。続き出るよね?!

眠り姫とガラスの靴の夢 ハーフ・クラウン
御永真幸/雲屋ゆきお
集英社コバルト文庫(2014.10)
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