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天女は恋する、龍冠の君 / 山本瑤

お茶農家の養女・珠華は茶畑で行き倒れていた謎の美青年・絋暉を助ける。珠華を気に入った絋暉は、のらりくらりと珠華の家での滞在を楽しむが、ある日珠華の義兄弟・青辰が何者かにさらわれてしまう。青辰をさらった者は都にいると知った珠華は、都に帰る絋暉に無理やり同行することになり、都で繰り広げられる帝位争いに巻き込まれていく。

読み切りじゃもったいないので続きも読みたいなぁ。

山本さんの中華風なお話、うまくいけば続きも出るかもな一冊目。お茶農家の娘で健康マニアな珠華と、いろいろとこじらせてしまってのらりくらりと生きているけど本気になったらたぶんすごいんだよ、の絋暉の物語。絋暉は最近の山本さんのお話の中ではわりとストレートなタイプですが、それでもきちんとこじらせていて、このこじらせ具合が多分私は好きなんだろうなぁとかそんなことを思いながら読んでいました。
このお話の鍵を握るのは存在だけ語られていろいろな伝説を残しているものの、珠華サイドと絋暉サイドで語られ方が全く違う珠華の養父なんですが……読み進めれば進めるほど、この人何者なんだろうという疑惑が強くなっていく、そんなお話でした。

伝説のお茶やら天女伝説やらの真相はなかなか面白くて、なるほどねぇ(だいたいこんなところかな、という落ち着き方であるものの)という展開で楽しかったです。そして、片鱗しか味わえませんでしたがこれはいい兄弟ものなんですよ……お兄ちゃんのわっかりにくくて屈折しいる愛情がですね!(これは来ると思ったらやっぱり来た) というわけで、珠華と絋暉のこれから(絋暉は果たして珠華をちゃんとおとせるのかとか)や兄弟のこれからを読んでみたいので続編にも期待しておきます。

天女は恋する、龍冠の君
山本瑤/カスカベアキラ
集英社コバルト文庫(2014.11)
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