呪われた王子と黒薔薇の乙女 / 宇津田晴

本の感想, 作者名 あ行宇津田晴

超常現象に対応するための秘密結社の次期総統となる令嬢ノワイエは、第一王子の呪いを肩代わり呪われてしまった第二王子ソールの呪いを解くため、兄イリスとともに王子と三人で離宮で共同生活を送ることとなる。とある方法なら問題なくソールの呪いはとけるということだが、その方法以外の方法を捜すノワイエの心を乱す行動をソールはとる。

これは、いいお兄ちゃん小説だった。

宇津田さんの安心と安定のニヤニヤ少女小説。仕事に燃えるヒロインに、ヒロインに助けられる王子さまが最初は打算込みでヒロインにちょっかい出していたのに……と、あらすじ見ただけで転がれること間違いなしの一作、転がりました。個人的には主役の二人にも転がりましたが、ヒロインのお兄ちゃんが!わかりにくいお兄ちゃんが!妹がすきすぎて180度間違った方向に進んじゃったけどこのお話でどうやらうまくいったらしいお兄ちゃんが!シスコンすぎて周りに引かれて、あまつさえそれを武器にしているお兄ちゃんが!(そしてついでに言うと王子様の親友ポジションのお兄ちゃんが)面白かったです。

暑苦しい守護天使様(オネエ言葉)や、食えないお父さんたちなど、周りのキャラクターたちもクスッと笑えて楽しかったです。

呪われた王子と黒薔薇の乙女
宇津田晴/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2014.08)
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