双界幻幽伝13 祝祭は不倶戴天! /  木村千世

本の感想, 作者名 か行木村千世

謎の凄腕の男と対峙し、蒼刻が怪我を負ったという知らせを聞いた朧月は、急いで彼が収容されている治療所に向かう。しばらく安静が必要な蒼刻だが、蒼刻の付き添いなしで朧月への仕事の依頼がきてしまう。自分にできることをとその仕事を引き受けた朧月は、調査に入った寺院で不思議な少年に出会う。

話がこれまたでかくなってきたなー。

国家転覆的な陰謀がメインと思いきや、それよりも朧月を狙っているというところが主目的だなー、というところを突きつけてきた1冊でした。なんだか、思っていたよりも話がでかいというか、国家規模というより世界規模で転覆しそうな、そんな展開になってきました。スケールが大きくなるのはワクワク感が広がって楽しいんだけど、この話はそこまで大きくなるとは思ってなかったので、若干ついていけない読者になりかけております。

それはさておき、本筋はちょっとだけ進んだような、しかしまたしてもいろんな人の真意がけむにまかれてわからないような、さっさと続きを!という一冊でした。主役二人のいちゃこらはもう何も心配するところはないので置いておくとして、周囲がだんだん「馴染んで」いくところが、クスッと笑えて楽しかったです。師匠とか、現役復帰したお兄ちゃんとか。あとは相性最悪な蒼刻さんとそのライバルが、なんのかんのとチームワーク的なものに目覚めていくのもベタながらいいものですね!と思いながら続きを待ちたいと思います。

どこまで広がるんかなこれ。

双界幻幽伝13 祝祭は不倶戴天!
木村千世/くまの柚子
ビーズログ文庫(2014.01)
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