アルバート家のご令嬢は没落をご所望です / さき

本の感想, 作者名 さ行さき

大貴族の令嬢メアリは、自分が今いる世界が前世でプレイしていた乙女ゲームの世界で、自分はヒロイン・アリシアのライバル役の高飛車な令嬢ポジションであることを思い出す。ゲーム内ではどのルートでも没落するアルバート家の令嬢として、前向きに没落しようと従者のアディと共にあの手この手で悪役令嬢を演じようとするメアリだが、何故かアリシアの親友ポジションを確立してしまう。

没落目指すもののだんだんそこから外れていくのが楽しかった。

web小説から書籍化の一冊。面白いよーという感想を見かけて読んでみたところ、とても面白かったです。ちなみにweb版は未読。

どうせ没落するなら前向きに!と前世の(乙女ゲーのプレーヤーとしての)記憶を頼りにポジティブに悪役になろうとするメアリにそれを温かく見守る旦那様第一のアディの掛け合いがとても楽しかったです。大貴族のお嬢様らしくないメアリが高飛車令嬢になろうとしてももちろんうまくいかないもので、やることやることがだいたい裏目にでて、アリシアになつかれていく様も楽しい物でした。このあたりはアリシアのある種の才能もあるかもしれないですが……もうこれ件の乙女ゲーにはなかったメアリとの友情エンドでもいいんじゃないの?と半ば本気で思いました(笑)。

web小説界(というかなろう系?)では乙女ゲーへの転生モノがわりと大きな派閥らしいのですが、なかなかおもしろかったので他のもちょっと気になるなぁ。1つ2つは読んだことありますが、あまり本格的に探していないのでまたこんどネットの海をさすらってみようかと思いました。

アルバート家のご令嬢は没落をご所望です
サキ/アルバート家のご令嬢は没落をご所望です
サキ/双葉はづき
角川ビーンズ文庫(2015.4)
amazon/honto/BOOKWALKER