なりゆき斎王の入内~その想い、ひとかたならず~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

帝に即位する前の最後の息抜きにと縋子に付き添い東宮とともに伊勢詣、熊野詣に向かうことになった塔子。熊野で懐かしい面々と再会するものの、何者かが放った矢により塔子の叔父・貴哉が大怪我を負ってしまう。

初々しい塔子と東宮様のやりとりに頬がにやける。

熊野編の一段落編。恋する塔子ちゃんが可愛く、東宮様が格好良かった良い一冊でした。元気でかわいい女の子は正義だ……。

貴哉の怪我の原因となった黒幕についてはなんだかあれれ?と思う間に片付いちゃった感があるのですが、このあたりは本拠地の都に戻って本格的に決着をつけてやる、ということなんでしょうね。今回はこの辺りの陰謀方面よりも塔子ちゃんと東宮様ですよ。いやー、ちゃんと自他共にみとめる「両想い」になった二人のやりとりの赤面ぶりったらありゃしない。少女小説はいいものだ。東宮様の脇でこっそり地味にいろんな主張をする腹心の直霧さんも密かに面白かったです。腹心って大変だなー。熊野の面々も賑やかで面白くて、最後のドッキリが読者側からもドッキリであっけにとられてしまいました。別当殿最強だなー。

なりゆき斎王の入内~その想い、ひとかたならず~
小田菜摘/くまの柚子
ビーズログ文庫(2015.04)
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