黄金の淑女 わたしは犬じゃありません / 白川紺子

本の感想, 作者名 さ行白川紺子

公爵家の令嬢ながらも宮廷から逃げるために「行儀見習い」の名目で隣国の女官となり、地味に目立たずこのまま埋もれて生きていこうとしていたエリアーヌだが、勤め先の王宮で品行方正で宮廷での人気も高い代に王子のクロードから突如求婚されてしまう。なし崩し的にクロードの婚約者として遇されることになったエリアーヌは、クロードから婚約者にふさわしい振る舞いを身につけるようにと教育される日々が始まる。

わんこがかわいかった。

白川さんの読み切り。2つの国の宮廷を舞台に、目立たず地味に乗り切ることを目標にしていたエリアーヌが、とある事情からエリアーヌに求婚したクロードにしつけられるお話。犬好きのクロードが飼っている犬が可愛くて、そしてその活躍もなかなかのもので、かわいい動物は正義……と犬の活躍に一喜一憂しながら読んでしまいました。
エリアーヌとクロードのどこか噛み合っていないラブコメ模様もすごく楽しかったなぁ。ことごとく墓穴を掘っていくクロードに、なかなか信じ切れないエリアーヌ。クロードが求婚したその真相とこれが宮廷を舞台にした少女小説だ!という王道展開が楽しかったです。
後半は今回の敵役のエリアーヌの従兄の元へ乗り込んでの一波乱でヒヤヒヤしたところもありましたが、きれいにまとまっていて良かったです。こういうのがあるから少女小説はやめられないですねぇ(中毒)。

黄金の淑女 わたしは犬じゃありません
白川紺子/椎名咲月
集英社コバルト文庫(2015.02)
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