嘘つきたちの輪舞 / 一原みう

本の感想, 作者名 あ行一原みう

憂鬱な日々をおくるアンナの前に、以前彼女に仕えていた侍女のリリヤから一通の手紙が届く。その手紙では、10年前にアンナたちの人生を狂わせたある事件の真相が綴られていた。

言葉にうまくできないのですが、こういうのがあるからコバルトは読むのがやめられない。

デビュー作とその次の作品の評判は聞いていて買ってるのに絶賛積んでるよ、という作者さんの3冊目。コバルト本誌に掲載されたお話2作と、描き下ろしの掲題中編の3作収録。どれもこれもいわゆる単純なハッピーエンドではなくて、でもとてもきれいで切ない物語でした。

特に描き下ろしが、もうこれ全方位に辛い。いろんなところですれ違いすれ違いの連続で、どれか一つがすれ違ってなかったらもしかしてうまくいっていたかもしれないな、というところがまた切ない。面白いんだけど、これは心の余裕のあるときに読まないと読みきれる気がしないなぁ、と感じております。

嘘つきたちの輪舞
一原みう/カズアキ
集英社コバルト文庫(2015.08)
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