不実な夫の愛し方 / 宮野美嘉

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行宮野美嘉

男爵家の次女アシュリーは絶世の美女と名高い姉が突如結婚してしまったことに伴い、祖父の旧友の孫である伯爵家の当主かつ貿易商を営んでいるロイに嫁ぐことになる。嫁ぐにあたり理想の夫婦になろうと決意するアシュリーだが、ロイはお互いに干渉しない当世風の夫婦となることを提案する。さらに伯爵家ではロイの子ども5人に出迎えられ……

どんな「不実」な旦那さんかと思えば、不器用な旦那さんでした。

シリーズモノを読んでいたんですが最後まで追いかけきれていないうちに、いつの間にか(ルルル文庫戦術の)単発がたくさん出ていたのでこれを機会に(単発モノを)えいやと全部購入して読み始めた一冊目。宮野さんのお話といえば「正統派少女小説と思わせておいて実は主役が若干病んでる変化球」が味と思っていて、今作もそんな感じかなーと思っていたらアシュリーが強いを通り越して少々危ういバランスかなーとはいうものも主役二人はそれほど病んでいませんでした。……とおもいきや、事件の黒幕が病んでいたという。そしておねちゃんもただの美人じゃなかった……。やっぱりそこらへんはちゃんと押さえているのかなぁ。

それはそうと、お話自体は「積極的な奥様に丸め込まれた旦那様と懐柔された子どもたち」のとてもよい少女小説でした。旦那さんが丸め込まれていく過程が楽しかったです。

不実な夫の愛し方
宮野美嘉/結賀さとる
小学館ルルル文庫(2014.09)
amazon/honto/BOOKWALKER