双界幻幽伝 恋人は一騎当千! / 木村千世

本の感想, 作者名 か行木村千世

第一皇子の客人として皇宮に滞在していた朧月だが、蒼刻とともに以前事件の起こった都市の様子を見に行くことになる。その地でのトラブルは突如現れた蒼刻の兄が一気に片付けてしまうが、そこで蒼刻の弟と朧月の実家の家人が一緒に居るところを発見した二人は、朧月の兄・静心が何者かにさらわれたということを知る。

最終章。お兄ちゃんが最強な理由がついに明かされた。

(少女小説にしては)長編シリーズもついに最終章。ここ数巻ちょっと退屈だったなぁと思っててすいませんでしたという最終章突入のお話でした。
花魄騒動で一冊使うのかと思えば、そこは最強のお兄ちゃんがさくっと片付けてしまって拍子抜け。今回はそこがメインではなくてあくまでも次以降の布石なのですが、いろいろときな臭すぎてどうなるのかな、と。黒幕は置いておくとして、それに関与する人たちの立ち位置がはっきりしなくてどっちに行くのかよくわからないです。

それ以外のラブコメ部分は相変わらず(ただし若干抑えめ)で、ニマニマと。引きこもると言いながらも自分の能力に目覚めてその力を使いこなそうとする朧月も頼もしくなってきて、彼女のお母さんももしかしたらあれなのかなぁとかいろいろと伏線もあって、続きも楽しみ。

双界幻幽伝 恋人は一騎当千!
木村千世/くまの柚子
ビーズログ文庫(2015.09)
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