春天繚乱 風花の宮と春宵の宴 / 九月文

本の感想, 作者名 か行九月文

新年の挨拶のために太宰府から都に戻ってきたの帥の宮の「宮廷の秩序のために梅壺の更衣を女御にするべき」という発言から、梅壺への弘徽殿からの嫌がらせがひどくなる。叔母である梅壺の更衣に仕える透子は、帥の宮の真意を確かめるために朱雀院の宮の手引で帥の宮と話す機会を得る。

東宮・帥の宮・朱雀院の宮の三兄弟ポジションがよいもの。

実は不思議系のお話だったよ、というシリーズ二冊目。宮廷の政争を主軸に、今回新登場の帥の宮が物語を少々物語を引っ掻き回す(というか燃料を投下した)というお話でした。帥の宮の立ち位置がよくわかんなくて、この人はどっちサイドの人なのかなぁというところが中盤まであんまり見えてなくて不気味ではあったのですが、三兄弟なのか、と思うといろいろと楽しくなってきました(こういう関係が好き)。
透子と朱雀院の宮様の微妙な距離感もいいものなのですが、透子がついに姫宮がお姫様じゃない事実を知ってしまったので二人の関係がどう進んでいくのかなー、帥の宮さまも透子のこと気に入っちゃったし龍尚もまだまだ頑張るしで続きも楽しみです。

春天繚乱 風花の宮と春宵の宴
九月文/雲屋ゆきお
角川ビーンズ文庫(2016.01)
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