聖女と王様 / かなざわありこ

本の感想, 作者名 か行かなざわありこ

「聖乙女」として聖域で暮らすスーフェンの王妹の翡翠だが、新しい王帝の承認のために生まれ故郷であるスーフェンに戻ってきた。宮殿内を探索していた翡翠は、使用人姿のときに王帝・白金と出会う。お互い一目で恋に落ちたものの、白金は翡翠が聖乙女と勘違いしたままで……

思ったよりも軽かった。

ビーズログの新人さんかな?と思ってたんですがペンネームがのひらがなバージョンだったという結構ベテランさんの読み切り?の作品。王宮ラブコメファンラジーで、想像以上に軽いというか現代的で、こう、横文字ファンタジーに流行語が出てくるのはダメな人はダメだろうなぁ、と(私はまあこんなもんかなと早々に回路を切り替えたのでまあこんなものでしたが)。
翡翠が純粋培養の天然ヒロインで、それに振り回される周囲とその純粋さにひかれる白金の様子を楽しむ物語だとおもいました。あと、お兄ちゃんの妹バカぶりな……ここまでひどい(褒めてる)シスコンはあんまりお目にかかれないような気がします。

結構展開が早いというか、すれ違い(と勘違い)のジレジレ感を感じる前に全部片付いてしまったのでかなり肩透かしではありますが、お気楽に楽しむ分にはよいものだったかもしれません。ただ、お気楽に読んでいる私ですら誤植に気付いてこれはないわーと思ったのでその辺りは改善されるといいですね。と、いろいろ思うところはありますが雲屋さんのイラストは眼福なのでそれだけでも満足。

聖女と王様
かなざわありこ/雲屋ゆきお
ビーズログ文庫(2016.01)
amazon/honto/BOOKWALKER