異人街シネマの料理人 / 嬉野君

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行嬉野君

ミニシアターを経営している祖父と二人で暮らしていた中学生の桃だが、祖父が亡くなりミニシアターを守るため、怪しげなバイトに手を出してしまう。危機一髪の桃を助けたのは、祖父から一度だけ名前を聞いたことのある青年・冬基。桃は異母兄の冬基に妹として迎えられ、無口な次男のカイと三人での新しい生活が始まった。

ハートフル擬似家族ものかと思えば謎がたんまりのハードな話だった。

嬉野さんのウィングスのソフトカバー一冊目。平凡な女の子と見せかけて実は天性の女優の才能をもつらしい桃と、なにやらいろいろと一筋縄ではいかなさそうな長兄・冬基、そして謎の次兄カイがなんとなく家族になっていくお話なのですが、お兄ちゃんたちがいろいろと抱えているものと桃の秘密にあっと驚く展開が待ち構えてそうで、一体何が起こるのだろうとすごくワクワクするお話でした。
1話目では痛快アクション系のお話なのかなぁと思わせるような展開で、続く2話目はうってかわってのミステリー(私の中では)な展開で、正直なところ2話目は少し怖かったのですが、面白かったです。桃の意識せず持っているらしい鍵やら、お兄ちゃんたちが探しているものやらいろいろと謎も多く、続きも楽しみ。

異人街シネマの料理人
嬉野君/カズアキ
ウィングスノベルズ(2016.01)
amazon/honto