ワーズワースの秘薬 恋を誘う月夜の花園 / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

母亡きあと父により知り合いのバーンズ男爵家に預けられ、そこで粗略に扱われていたアメリアのもとに、今をときめくオルブライト伯爵が現れる。父の知り合いでアメリアを迎えに来たという伯爵は、アメリアを伯爵家に迎え入れる。母親からなにか受け継いでいるものはないか、と伯爵から尋ねられるアメリアだが、アメリアには心当たりがなかった。

花言葉で伝えられるあれこれがとてもロマンチックでした。

文野さんの新作。ロンドンを舞台に、不思議系のお話かなぁでもあんまり不思議さ感じないなぁと思っていたらアレ [1]吸血鬼(一応注釈に回しておきます)にまつわるお話でした。全然気づかなかった……
預けられたお家で虐げられ、そこに王子様が現れてのシンデレラストーリは鉄板ながらもニヤニヤできて良いもので、伯爵もアメリアを甘やかしておきながら秘密をかなかなか明かさないので、本当に味方なの?と読んでいるほうが少し不安になるこの構成は流石だなぁと。少女小説なので大丈夫だとはわかってはいるものの、やっぱりこのドキドキ感はたまらないです。

花言葉が謎を解く鍵となり、そしてアメリアと伯爵の距離も縮めるというこの展開も良いなぁとおもいながら、うまいこと終わっているようで問題が片付いていないので、もう1冊・2冊くらい続いてくれたら良いなぁと思っています。

ワーズワースの秘薬 恋を誘う月夜の花園
文野あかね/山田シロ
角川ビーンズ文庫(2016.10)
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References

1 吸血鬼