2016年のお気に入り 適当に10作くらい

つれづれまとめ

2016年に読んで面白かった本を10シリーズほど上げてみます。

※順番は2016年に該当シリーズを一番最初に読んだ順(だいたい)。
※書影や感想は、2016年に読了したものを挙げております。
※ほとんど電子書籍でした。電子書籍バンザイ。

■「猜疑王の契約王妃」シリーズ / 乙川れい
ビーズログの新人さんのシリーズ第二弾、完結済み。修道女になることを目指す伯爵令嬢と、内乱を経て王になったがため猜疑心をこじらした王様の「契約」から始まる物語。終盤若干とっちらかった印象があるのですが、そのあたりをおいておいてめちゃくちゃ好みのラブコメでした。ビーズログ文庫のラブコメは勢いがあって好きだなぁ。

  
【急募】猜疑王の契約王妃(※短期のお仕事です)
【好待遇】猜疑王の契約王妃(※丁寧に指導します)
【昇進有】猜疑王の契約王妃(※期間延長は相談にのります)

■「異人街シネマの料理人」シリーズ / 嬉野君
ウィングスがソフトカバーになったよ、でソフトカバー化の嬉野さん第一弾で2016年は2冊出ました。前作(金星特急)がファンタジー寄りの物語だったのに対し、今回は現代ハートフルもの(と表現するには初っ端からだいぶハードでしたが)かと思いきや、話が進むごとに一筋縄では行かなくなってきて、しかも「金星特急」の世界のパラレルワールド?と思わせるようなつながりも出てきてと目が離せないシリーズです。

 
異人街シネマの料理人 / 異人街シネマの料理人2

■「おこぼれ姫と円卓の騎士」シリーズ / 石田リンネ
今追いかけている少女小説の中で、いちばん気になるシリーズの一つである「おこぼれ姫」シリーズ、毎年選んでいるんですが選ばざるを得ないほど面白いのです。今年はついにクライマックス突入ということで、番外編と見せかけた中編集の最後にどえらい仕込みをしかけ、そして王女様絶体絶命のピンチとなりつつも反撃の準備を着々と進めというこの熱い展開が素晴らしいです。2017年は2月に続刊が出るそうなので楽しみでなりません。

  
おこぼれ姫と円卓の騎士 再起の大地
おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日
おこぼれ姫と円卓の騎士 白魔の逃亡

■「チョコレート・ダンディ」シリーズ / 我鳥彩子
コバルトで王道な物語を書いたら間違い無し!の我鳥さん流「あしながおじさん」、2016年で無事三冊完結いたしました(が私はまだ2冊目までしか読んでいなくて3冊目は電子の海に積んでいます:買うことは買った)。ヒロインにめろめろな坊っちゃんがとにかく愛おしいシリーズです。

 
チョコレート・ダンディ~可愛い恋人にはご用心~
チョコレート・ダンディ~君の瞳は甘い罠~

■「青薔薇伯爵と男装の執事~発見された姫君、しかしてその結末は~」 / 和泉統子
ソフトカバーになったウィングスの和泉さん作品第一弾、二冊目にして完結。男装の執事というこの五文字だけでも飛びつくのに十分なのですが、内容もこれまた素晴らしくて、完結編で明かされる怒涛の種明かし(という名の真実の数々)と、それらをひっくるめて完全なハッピーエンドにもっていくこの素晴らしい展開にただただ圧倒されておりました。もうこの表紙見ただけで、そのハッピーエンドぶりがわかるというものです……!
後日談を読むためにウィングス本誌を買ったのですが、これは今のところたぶん単行本に落ちる予定はないと思うので買っておいてよかったなぁと思いました。


青薔薇伯爵と男装の執事~発見された姫君、しかしてその結末は~

■「花冠の王国の花嫌い姫」シリーズ / 長月遥
ビーズ文庫の新人さんで、今年はこのシリーズで3冊刊行されました。「ヒロインの王女様が重度の花粉症」というこの設定だけがすべての読み切りラブコメかと思いきや、シリーズ化の上、最新刊(3冊目)では戦記モノの体をなすという、軽め(明るめ)の「少女小説戦記物」とか「少女小説宮廷陰謀劇」とかが好物な私にとって非常に嬉しい展開となってまいりました。昔、こういう系列ってコバルトとかビーンズとかに結構あったのに、最近はビーズログ文庫のほうがたくさんあるような気がするなぁ……。それはともかく、続刊もあるということなので引き続き期待しております。

 
花冠の王国の花嫌い姫
花冠の王国の花嫌い姫 ガーベラの約束
花冠の王国の花嫌い姫 騎士と掲げるグラジオラス

■身代わり花嫁の懺悔日記 / 宇津田晴
撤退戦を始めてしまったルルル文庫の宇津田さん(たぶん)最後の読み切り。このあと(なぜか数年の時を経て)旧シリーズの新刊などが出たりもしましたが、宇津田さんの読み切りっていいなぁと最後の最後に思えた一冊なのでこちらをチョイス。一生懸命なお姫様と、お姫様を手玉に取るようで取れてない王様の頬が緩む関係が非常に微笑ましかったです。
ルルル文庫が店じまいした後も、どこかで書いてくださると嬉しいんだけどなぁ。


身代わり花嫁の懺悔日記

■宝石商リチャード氏の謎鑑定 / 辻村七子
数冊出てますがまだ一冊しか読んでおりません、の超絶美形の宝石商とその相棒となってしまったいい人の大学生の物語。オレンジ文庫は結構読んでいるんですがこれしか感想書いておらずなので代表してひとまずこちらで(とはいっても「代表して」という前置きなくこちらのシリーズ大好きです)。すべて円満ハッピーエンドというお話でもないのですが、リチャードと正義くんの距離感やらサブキャラクターの濃さやらが非常に楽しいシリーズです。続刊ももちろん電子の海で積んでるので読みます、早いとこ……。
ちなみに、他のオレンジ文庫では谷さんの「異邦人画廊」や白川さんの「下鴨アンティーク」などがおすすめです。特に下鴨アンティークは、アンティークは!(語彙力消失)


宝石商リチャード氏の謎鑑定

■「(仮)花嫁のやんごとなき事情」シリーズ / 夕鷺かのう
無事完結した仮花嫁シリーズ、天下無敵の大団円で非常に素晴らしかったです。フェルも頑張ったけど旦那様よく頑張った!さすが!旦那様!外堀を埋めていく男!
おまけの短編集も2017年に発刊予定とのことですので、まだ楽しみがある、私は生きていける……という気分で楽しみにしています。

  
(仮)花嫁のやんごとなき事情10~離婚しちゃうと絶体絶命!?~
(仮)花嫁のやんごとなき事情11~最終決戦はついに離婚!?~
(仮)花嫁のやんごとなき事情12~結婚できたら大団円!~

■「死にかけ」シリーズ / 藍川竜樹
死にかけシリーズって、このシリーズ名はどうなんでしょうか……と思いながらもどうもこれが正式シリーズ名らしいので。「死にかけ花嫁」と「死にかけ聖女」の2作品、ほぼ連続して読みまして非常に楽しませていただきました!先程も申し上げましたように、私、少女小説戦記モノとか少女小説宮廷陰謀劇とか大好きなんですよね……。両作品とも私の大好きなエッセンスがギュッと濃縮された作品な上に、「花嫁」の次世代編が「聖女」というこれまた「世代を超えた物語」が大好きな私にとっては美味しいシリーズでした。藍川さんの物語、少女小説としてのポイントは抑えつつ骨太なところが良い感じなので、次回作も楽しみにしています。

 
死にかけ花嫁と革命の鐘
死にかけ聖女と皇帝の帰還