おこぼれ姫と円卓の騎士16 反撃の号令 / 石田リンネ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行石田リンネ

メルディ、アストリッドともにイルストラ国にたどり着いたレティは、クーデターを起こしたフリートヘルムに傾きかけているイルストラの協力を得るため、王太子ヴィクトルと交渉を開始する。一方、レティが脱出した後のソルヴェールでは、レティの騎士たちが制限された行動範囲の中でなんとかレティの力になろうと行動を開始する。

表紙はデュークの妄想かと思ってしまいましたよ……(終盤の終盤まで)。

シリーズ16冊目。クーデターで追いやられた次期国王のレティが、外国で態勢を立て直し、反撃に転じるというまさしくサブタイトル通りのお話でした。レティはもちろんのこと、国に残ったデュークその他の騎士たちも行動が制限されている中での仲間たちを信じての行動、どうやってつながっていくのかがドキドキの展開ですごく楽しかったです。その他にも、未来の侍女さん関係でまさかこんなところで驚きの事実が!というくだりもあり、そのあたりはまったくノーチェックだったのでびっくりでした。あとびっくりといえばフリートヘルムの思いも、ただのクーデターではなさそうだとは思っていましたがこれは最後にいいところかっさらいそうで、このあたりも楽しみです。
ノーザルツ公も渋い顔で海賊に捕まったりと地味に活躍されており、レティとノーザルツ公の切った張ったの関係が好きなので楽しかったなぁ。ページ数の関係でこの二人のやり取り少なかったのが残念ですが、ノーザルツ公はそこにいるだけで癒やし……。

で、表紙が発表されたときにひぇぇぇぇとなったレティとデュークですが。二人がなかなか合流しなくて、これはもうデュークの妄想とか死の淵にみた夢ではないかという疑惑が終盤の終盤までつきまといました。しかしながら、物理的には驚くほど何もなかったと言うのは確かですが、今までの二人からしたらすごい進歩で、照れるレティの可愛いこと可愛いこと。ということで最終巻もすごく楽しみです。

おこぼれ姫と円卓の騎士16 反撃の号令
石田リンネ/起屋一子
ビーズログ文庫(2017.02)
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