ひなひめ御指南! / 御永真幸

本の感想, 作者名 な行御永真幸

水渡国の主席家老の次男宗七郎は、主家の唯一人の元気すぎる姫君・浜の目付けとして日々浜に振り回される毎日を送っていた。宗七郎への好意を事あるごとに主張する浜に対し、目付けという立場から踏み出せない宗七郎の一進一退の攻防が繰り広げられ……

最後のほうがすごかった(褒めてる)。

江戸っぽい世界を舞台に、脊髄反射で生きてるのかこの子?というような元気いっぱいの武闘派のお姫様と、そのお姫様の目付役に選ばれてしまった苦悩する周辺国にも響く美貌を誇る宗七郎が繰り広げるラブコメ。
浜姫の言動が少々幼くて、宗七郎さんに同情するしかなかったのですが、中盤あたりから急にテンポが良くなって最後の告白大合戦がすごい面白くてなんのかんので楽しかったです。
「中盤あたり」というのは、宗七郎さんが幼馴染で従兄の万寿に対して丁寧口調崩して「俺」になるところなんですけど……(人称変化に弱い)。責務と自らの思いに揺れるお目付け役、たまらんですね。あと、何に対しても真摯なお目付け役さんもたまらんですね!

正直なところ、中盤あたりまでは私これ読みきれるかな?と若干不安もあったのですが、宗七郎の苦悩と好青年ぶりがよいものであった、可愛いお話でした。

ひなひめ御指南!
御永真幸/加々見絵里
集英社コバルト文庫(2011.11)
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