侍女ですが恋をされなければ窮地です2 / 倉下青

本の感想, お気に入り, 作者名 か行倉下青

エルヴィラ公女付の侍女から傭兵隊付の侍女になったマリアダは、日々ジルヴァーノから求婚される日々。そんな中、傭兵隊との契約更改に失敗した歴史だけはあるバージリス公国の王太子アージェントが最後の手段としてカファル公国との同盟のため、エルヴィラ姫との結婚を求めてカファル公国を訪れる。テレーザの命でまたしてもエルヴィラに扮し、今回は求婚を断るという仕事をこなすことになったマリアダは、傭兵隊長ジルヴァーノとエルヴィラに特別な関係があることを匂わせてアージェントをかわそうとするが……

今回もテレーザ様がかっこよかった……

シリーズ2冊目。今回は恋されるでなく後腐れなく振る、というミッションを与えられたマリアダがなんとかアージェントに諦めてもらおうと苦心。そして育ちの良さというかいいように解釈してめげないアージェント、さらになかなか落ちないマリアダとイチャイチャできるいい機会と「二股かける悪い傭兵隊長」を喜々として演じるジルヴァーノと非常に楽しいラブコメ分が良いものでした。前回ほどテレーザ様の出番はないものの、やっぱりテレーザ様はかっこよかったし、マリアダとの容赦ない言い合いは気持ちのよいものでした。

あまり存在感のなかった傭兵隊のメンバーも事件に絡み、お、なんか結構重たい展開だな、いいぞこの温度感(陰謀というか政治的な要素とラブコメ的な要素の塩梅)の少女小説!と私好みの空気感で好きだなぁと改めて確認しましたので、また続きでないかなぁ。ジルヴァーノの過去のネタがあったのに今回ほとんど明かされてないので、これは次に期待したいです。

侍女ですが恋をされなければ窮地です
倉下青/椎名咲月
一迅社文庫アイリス(2017.03)
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