ケダモノと王女の不本意なキス / 松村亜紀

作者名 ま行松村亜紀

王族は全員、そして貴族もほぼ半数は魔法を使えるライオール国の王女リディは、王族でありながら全く魔法を使えないという「落ちこぼれ」であった。魔法が使えないことを知識でカバーするために必死に魔法理論の勉強に励んだ結果、賢者と呼ばれる地位を手に入れたリディであったが、ある日何者かに魔法をかけられてしまい、定期手に「魔力」を摂取しないと死んでしまうという状況に陥ってしまう。そんな彼女を助けられるのは闇魔法使いとも言われるライオールから口移しで魔力を補給するか、リディにかけられた魔法を解除するしかなく……

ツン同士がツンツンしてて最後はデレる、破壊力が絶大

えんため大賞特別賞作。魔法が使えないことを知識でカバーする自立型の王女様と、そんな王女様の苦境をしょうがなく救った獣人系のひねくれ魔法使いのツン同士のラブコメ(コメ分はちょっとあるよ)のお話でした。自立型の王女様は私の好みなので楽しかったー。獣人もえはないんで今まで積極的に読んだことはないのですが(あんまり読んだ記憶もない)、これはこれで楽しかったなぁ。もふもふは正義。

お互いにツンなので口喧嘩の応酬なのですが、それがだんだんとお互いに意識し始めると若干トーンダウンしてしまうのとか楽しいし、最後の最後にデレたときの破壊力はツンデレものの醍醐味。また、それ以外にも結構重ための背景と黒幕で、ラブコメのふりしたシリアスストーリーでこの点でも楽しめました。あと、王女様のお兄ちゃんが妹大好きお兄ちゃんで、こういうところも良いものでした。

ケダモノと王女の不本意なキス
松村亜紀/山田シロ
ビーズログ文庫(2017.03)
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