ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? / 仲村つばき

本の感想, お気に入り, 作者名 な行仲村つばき

没落した実家の両親から逃げてきたセシリアを保護した後見人の騎士キースは、セシリアのために名目上の結婚をするが、ヒースはセシリアを残し病でなくなってしまう。セシリアはヒースからの遺言により、ヒースの腹心の部下と再婚することになるが、セシリアにはヒースを含め限られた者しか知らないある秘密があった。

これぞ!という胸キュン偽装結婚モノで楽しかったー!

普段はビーズログ文庫で活躍されている仲村さんがコバルトから、しかも偽装結婚モノということで楽しみにしていたんですが(というわりに、購入早々積んではや数ヶ月)、期待通りの面白さですごく楽しかったです。仲村さんの作品にしては、ヒーローが真面目というかまともで新境地でした(褒めてる)。

女性は本を読まないという風潮から、女性小説家はありえないということで筆名を男性名セオとして覆面作家生活を続けるが作家生活を続けるために再婚が必要なセシリアと、親が勧める結婚から逃げるためにとにかく相手が必要なクラウスが利害関係の一致で結婚生活をはじめるというところからして少女小説の王道で良いものでした。
そして、今回はセシリアが「セオ」であることを隠す一方で、対するクラウスがセオの熱心なファンというこの攻防がたまらないのです。本人を前にしているとは知らずセオを賞賛するクラウスと照れるわけにはいかないセシリアのやり取りがすごく楽しかった!

周囲の登場人物も味があってとても良いものだったんですが、個人的には一番のおすすめは弁護士さんですね。ちゃっかりしててしっかりしてるお調子者にみえてやり手って一番美味しいポジションだなあと思いました。

ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!?
仲村つばき/藤ヶ咲
集英社コバルト文庫(2017.10)
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