2005年2月の本の感想


ブラック・ベルベット 神が見棄てた土地と黒き聖女

須賀しのぶ/梶原にき(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

荒廃した無法地帯のバレンに突如現れた謎の美女キリ。キリは常人離れした強さを発揮し、次々と賞金のかかっているキメラを狩っていく。モーテルで働くロキシーはそんなキリと仲良くなり、腐れ縁のファナと3人で奇妙な友情を築きあげていく。

おもしろい!
シリアスなはずなのに、キリの性格が全てを中和してしまっています。あんなに強いのに実は天然で少女趣味なフリフリキラキラが大好きって……、ギャップが。女の子3人のかしましさも楽しいです。ディートン教やらなにやらの全体像はまだまだつかめそうにありませんし、ハル神父とは何者かいなと先が大変楽しみです。
女子校サバイバル(bk1)』のあのノリが好きであれば、確実に楽しめるのではないかと。

それにしても、女神伝を読むタイミングを完全に逸してますな……、一回まとめて再読して最新刊に手をつけた方がいいのだろうか……
Feb/21/2005 ↑TOP
 』


夜光曲 薬師寺涼子の怪奇事件簿

田中芳樹/垣野内成美(イラスト)祥伝社ノンノベル【bk1amazon

東京の真ん中で一夜にして新緑が枯れ木と化す事件発生。その後、人食い蛍やらネズミが大量発生するなど不可解な事件が続発。あの薬師寺警視がそれを放っておくはずもなく、部下の泉田君を連れて解決に乗り出す。

めちゃくちゃだー。普通におもしろかったです。ラスボスが前回に比べてへたれてなかったけど、足のいっぱいある虫とかミのつく生き物の大群は少々勘弁と思ってしまいました。
社会批判よりもラブコメ分をっ!という苦言はあるんですが、読めるだけましかなとちょっと悟ってしまいました。いろいろ考え出すと素直に楽しめないので、頭を空っぽにして楽しんだもん勝ち。
進んでいるように見えてその実ほとんど進んでいない涼子と泉田君の仲、さっさと進めよと思う気持ちもありつつ、でも(無意識天然女殺し)泉田君のお陰で進まないこの微妙な仲が楽しいような気がします。
Feb/16/2005 ↑TOP
 『黒蜘蛛島(ブラックスパイダー・アイランド) 薬師寺涼子の怪奇事件簿


タクティカル・ジャッジメント3 いやがらせのリベンジ!

師走トオル/緋呂河とも(イラスト)富士見ミステリー文庫【bk1amazon

容疑を認めている殺人事件の容疑者の弁護を引き受けた山鹿善行。その真意は、実はとある刑事にデートを邪魔されたことに対する意趣返しであった。

今回はいつもと少しだけ様相が変わり、第1部は功績を立てることに燃える刑事と、第2部はその刑事に仕返しすることに燃える悪徳弁護士がそれぞれ主人公。初登場の刑事につきましては、1部の時はできるやつかもと思ったけれども、2部でそのイメージも崩れてしまいました。もっとまともというか、ちゃんとした人だと思ってたのに。
いつもながら思わぬ方法でひっくり返されていく審議を読んでいくのはとても楽しかったです。しかし、今回の手法は、えーと、2巻までのはまあありかなとも思うんですが今回のは……。といわけで(?)、違法っぽい行為も何のそのの悪徳弁護士の活躍、次回も楽しみです。
Feb/中旬/2005 ↑TOP
 『タクティカル・ジャッジメント2 気まぐれなサスペクト!


ゆらゆらと揺れる海の彼方2

近藤信義/えびね(イラスト)電撃文庫【bk1amazon

二度の戦で深刻な人員不足に陥ったローデウェイク辺境州はなんとかして軍を立て直そうとするものの前途は多難だった。一方、アールカヴ神聖帝国はついに皇帝自ら軍を率いてレールダム福音連邦の首都を落としにかかり……。

わーい、おんなのひとがいっぱいだー、と妙に楽しみながら読んでたんですが、表紙の真ん中に来ている割にはノウラちゃんが活躍しませんでしたね。次回に期待。
今回も燃える展開でした。それぞれの陣営の主要面子も一通り揃ったのかな?物語は次から大きく動きそう。読んでいるときに思い出したのが、某銀河を舞台に英雄たちが戦う物語。あの話と同じく、どちらの陣営とも魅力的な人がたくさんいるので……、いつもならどちらか応援しながら読んでるんですが、今回は片一方に肩入れできません。とはいうものの、帝国軍が優位すぎて一方的すぎると思うので、次以降どう辺境州軍が戦力を増強していくのかが楽しみです。それにしても、どっちのトップもえらく穏やかな人だな……。
Feb/中旬/2005 ↑TOP
 『ゆらゆらと揺れる海の彼方


クラッシュ・ブレイズ 嘆きのサイレン

茅田砂胡/鈴木理華(イラスト)C-Novels Fantasia【bk1amazon

原因不明の事故が続く宙域に調査に向かったキングたち。しかしそこでダイアンまでもが挙動不審になってしまい……。

キングと女王が _| ̄|○
いやー、もうどこからどう突っ込めばいいのか。昔のキングと女王なら、できることがなくても助けを待つだけという無為な9日間は過ごさないだろうなーとか、ダイアン……とか、歌ね……、とか。あとは、常々思っていたことだけど、金銀黒をみたらだいたい誰でも天使といってるけど、あれだけ広大な世界でみんながみんな天使って、もうちょっと他にいい表し方はないいんかいな、価値観というかそういうものがひとつしかないんかいなとか。
あー、でも33ページくらいまでは文句なしにおもしろかったです。
Feb/中旬/2005 ↑TOP
 『天使たちの華劇 暁の天使たち 外伝2


空ノ鐘の響く惑星で 6

渡瀬草一郎/岩崎美奈子(イラスト)電撃文庫【bk1amazon

フォルナム神殿の解放に向けて、フェリオは王族としての決断を下す。そして、ウィスタルを訪ねてやってきた青年はフェリオたちに謎に包まれた国・ラトロアの情報をもたらして……。

おもしろーい!おもしろすぎます。というわけでまたもや燃える展開。すごくかっこよくて、手に汗握りながら読んでいました。猛烈にお勧めのシリーズ最新刊です。
フェリオたちの世界とリセリナたちの世界の謎がこの巻で明らかに。もうなんだかいろいろ隠された秘密というやつが明らかになっていったんですが、同じくらい謎も増えていってうわーという状況(感想になってるんだかいないんだか)
今回、本気でフェリオがかっこよかったです(前からかっこよかったんですけどねー)。タンカを切ったフェリオかっこいー。それ以外は天然さんでリセリナも困っていましたが。そして、フェリオ以上にかっこよかったのがパンプキン……。いや、前巻くらいからちょっとやばいかもと思っていたんですが、今回で完全にはまってしまったようです。カボチャ頭、恐るべし。
ウルクについては、愛の力があれば大丈夫と思っていましたがその前に幼なじみの秘密アイテムがあったとは。忘れてました。フェリオ争奪戦はどうなるか予想がつかないんですが、ウルクもリセリナも幸せになるといいな。
Feb/10/2005 ↑TOP
 『空ノ鐘の響く惑星で 5


騎士の系譜 フェンネル大陸偽王伝

高里椎奈/ミギー(イラスト)講談社ノベルズ【bk1amazon

ソルド王国にたどり着いたフェンベルクは、そこで騎士見習いのロカと仲良くなった。しかし、潜り込んだ国立蔵書館でただならぬ計画を知ってしまうフェンとロカ。なんとかこの計画を止めようとする2人だが命を狙われてしまい……。

話の筋自体はすごく好みなんですが、イマイチ乗り切れないところがあるけど結構おもしろいなー(結局どっちやねん)と思えるお話の2冊目。今巻のネタというかオチはそうくるかーとちょっとびっくりでした。これからどうなるんでしょうか。やっぱり前と同じく燃える展開ですので続きも読んでみたいです。

今気付いたんですが、乗り切れない一番の原因はレイアウトかと。新書はやっぱり二段組がいいです。あとは、全体像とか文化的時代背景がイマイチつかめないのも乗り切れない原因かな。文明レベルでいったらどれくらいなのかということがよくわからないや。
1月頃/2005 ↑TOP
 『孤狼と月 フェンネル大陸偽王伝


マスケティア・ルージュ 深紅の銃士

志麻友紀/さいとうちほ(イラスト)角川ビーンズ文庫【bk1amazon

男の子同然に育ったジュリアは祖父が強引に推し進める結婚話に反発し、銃士になるためにアンジュの都に単身向かう。何の因果か王妃を巡る陰謀に(自発的に)巻き込まれ、その解決に銃士と共に奔走することになるジュリアだが……。

志麻さんの新作はダルタニアンが元気な女の子の三銃士でした。前作は不本意ながらも途中離脱してしまったんですが今回は今のところ大丈夫っぽいですね。なんせ、主人公が女の子なので……。
さて、内容ですがなかなかおもしろかったです。話の展開というかそういうのは三銃士そのままなのでイマヒトツひねりを感じられないんですが、あんまりそういうのを気にしない質なのですいすい読めました。序盤からなんとなく予想できるジュリアの秘密(今巻で全てバラしてますが)を今後の展開にどう絡めていくかに期待しています。あと、ジュリアの性別を知ったときの他の銃士の反応もちょっと気になったり。

これを読んでいるときに”のりピーが主題歌を歌っていた『アニメ三銃士』”を思い出したのは私だけではないはず。あれはたしかアラミスが女性だったような記憶が……。
Feb/04/2005 ↑TOP
 


魔女の結婚 虹は幸せのために

谷瑞恵/蓮見桃衣(イラスト)集英社コバルト文庫【bk1amazon

結婚式を挙げるために”ゆめみの森”の番人の呼び出しを受けて虹の島に向かうエレインとマティアス。虹の島に到着し、そこにマティアスの婚約者とその息子がいるという驚愕の新事実を二人は知ることになる。[虹は幸せのために]

これが本当の大円団!な一冊でした。コバルト本誌に掲載された短編2本と本編後を描いた書き下ろしの中編1本。短編の方はさておき、何より中編です。正真正銘の最終回(?)。のっけから驚きの展開を見せていました(マティアスなら子供の1人や2人くらいいてもおかしくないとか思ってしまいましたすいません)、いつも通りなるほどと思うようなからくり。マティアスの「今までの労力をこれでチャラにできるか」というような趣旨のセリフには思わず笑いが……。そしてなにげにいいとこ取りの番人と領主がちょっとおもしろかったです。
Feb/01/2005 ↑TOP
 『魔女の結婚 アヴァロン陽はいつまでも