2003年に読んだおもしろかった本 適当に約10選

本棚目録 / 2002年度版

※順不同、面白い順とは限りません※
※基本は一作家一作品※



ひとまずひとつめ

 幻の将軍』 / 川原よしえ
いのまたむつみ(イラスト)・エニックスNovels

私の夢と理想が入り交じっている、そんな素敵な作品でした(笑)。いろいろとご都合主義な展開といわれれば否定はしませんが、そんな主人公にとって都合のいい展開すらいとおしく思います。
男装しているかっこえー女の子、というだけでも自動的にポイントが高くなるのに、その脇に控えるのは軍人の鑑であったり、幼なじみの男の子であったり……、一冊で二度三度おいしい、いや、おいしすぎます。入れ替わりモノというのも私の大好きなジャンルのひとつでありまして、入れ替わりならではのどきどき感も堪能できました。

そんなこんなで、いのまたさんの華麗なイラストと相まって、クリティカルヒットを食らった5月でした。


ふかくなやまずふたつめ

 業多姫 壱之帖―風待月』 / 時海結以
増田恵(イラスト) / 富士見ミステリー文庫

ミステリー文庫から出ているのが何となくミステリーな業多姫。はっきり言って、ミステリー部分は邪魔です(笑)。この作品のメインテーマはラブ、ラブですから。もうラブすぎて頭くらくらですよ……。ミステリーを期待して読んだならばかなり不満の残るところでしょうが、ラブを期待して読むとおつりが帰ってきます。というわけで、和ものな時代ものがちょっと好きで、でも時代物に恋愛ものは少ないなぁ、なんかないかなぁ、というお方には最適な一作。


【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『業多姫 弐之帖―愛逢月


みんながえらぶものをえらばないみっつめ

 ブラインド・エスケープ』 / 樹川さとみ
藤田香(イラスト) / 富士見ミステリー文庫

普通なら、樹川さんといえば楽魔女ですね。今、クライマックス真っ最中ですし。しかし私はあえてこれを推します(だって、楽魔女は来年絶対選ぶんもん・笑)。というわけで、一冊完結、ヒーローが妙にかっこよくてヒロインが妙にかわいい一作を選んでみました。もう、とにもかくにも読んでください、としかいいようがないような……。はらはらどきどきの連続でしかも周りにはこれまたおいしいキャラが配置されている、時間を忘れて読んだ作品でした。

楽魔女もこれまた続きが非常に楽しみです。少佐とフレイはどうなるのかな〜(そればっか)。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『楽園の魔女たち 楽園の食卓(前編)』 などなど楽魔女全般
 『千の翼の都 翡翠の怪盗ミオン


よせばいいのによっつめ

 運命よ、その血杯を仰げ 遠征王と隻腕の銀騎士』 / 高殿円
麻々原絵理衣(イラスト) / 角川ビーンズ文庫

半分信者入ってますので、ほぼ無条件ランクインです(笑)。だって、最終巻だし。
遠征王シリーズは、本当にいい感じのグランド・フィナーレを迎えることができたと思っております。ナリススキーな私の願いはすべて満たされましたし(笑)。すごく重たいテーマを取り扱っている割には、ずーんと沈み込んでしまうことなくアクセントとして笑いがきちんとちりばめられていて、でも締めるところはきちんと締められている、そんな作品だと感じています

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『尾のない蠍 遠征王と流浪の公子
 『そのとき翼は舞いおりた


いれかわりたちかわりでいつつめ

 フェイクスイーパー 高原御祓事務所始末記』 / 朝香祥
穂高ゆきね(イラスト) / 集英社コバルト文庫

今年も朝香さんの本はたくさん堪能しました。朝香さんのお話に共通するのは「兄弟(妹)」のすばらしさ(?)でしょうか。どれもこれもわたしのツボにクリーンヒットなもんで。キターブ・アルサールのサイードとティルフとサルジェにアルセスとファラン、天空の刻印のレンとエルク。そのなかでも、個人的兄弟モノの最高峰と勝手に認定しているこのシリーズを選んでみました。どれも選びがたかったんですがね〜。

コバルトでの続きはもうあきらめていますが……、いつかどっかで商業出版してくれないかな。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『キターブ・アルサール 皓い道途
 『天空の刻印(上)


むむっとなやむむっつめ

 女王と海賊 暁の天使たち5』 / 茅田砂胡
鈴木理華(イラスト) / 中央公論新社C-Novels Fantasia

細かいところはすっ飛ばして、好きです。女王とキングが。この二人が出てきて、あの夫婦漫才を繰り広げてくれるだけでもう満足なのですよ(笑)。というわけで、最高のコンビに乾杯なわけなのです。

……、あ、手抜き。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 その他の暁天本(リンク省略)


なんとなくななつめ

 FLESH & BLOOD』 / 松岡なつき
雪舟薫(イラスト) / 徳間書店Chara文庫

タイムスリップして歴史の世界にご招待〜、ですが一筋縄ではいかないのがミソ。この一筋縄でないところが今後の大きなポイントとなるんでしょうね。
まだまだ刊行分に追いついていないんですが、とても面白いのです。カイトはかわいかっこよく、その他のオトコ連中も、やはりかっこいいのがわんさかです(ま、レーベル的に当たり前……)。歴史物の醍醐味をひしひしとかんじながら読めるのが大変よろしいかと。BLレーベルでありつつも、苦手な私でも大丈夫!なお話でしたので、そういう意味でちょっと敬遠するのは少しもったいないと思います。


やっぱりこれははずせないやっつめ

 鏡のお城のミミ〜カンタン王国の大冒険〜』 / 倉世春 
水谷悠珠(イラスト) / 集英社コバルト文庫

これぞコバルト文庫っという素敵な王道を行く、と勝手に思いこんでいるシリーズです。イラストもかわいいし、お話もかわいいし、かわいい女の子にかわいい弟、それなりにかっこいいヒーローに颯爽としたおねえさまなど各種取りそろえてありますよっ!いろいろとかわいさに騙されそうになるんですが、シリアスな面もきちんとはずさず完備されております。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『鏡のお城のミミ〜幸せの村へようこそ!〜』 など、ミミシリーズ(?)


ここぞというときのここのつめ

 お嬢様とは仮の姿!』 / 喬林知 
松本テマリ(イラスト) / 角川ビーンズ文庫

まるマシリーズもよいのですが、あえて外伝を選びました。女の子が主人公なもんで(女の子主人公というだけで評価がぐぐっとアップ)。軍人とかトレージャー・ハンターとかもうすてきなキーワードが盛りだくさんですよっ!リヒャルトは妙にかっこいいし(結局はここが肝心)。まるマの勢いのあるハイテンションギャグなノリももちろん忘れられてはおりません。とにもかくにも、面白かったです。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『地にはマのつく星が降る!』 などなど、まるマシリーズ全般


とりあえずとう

 彩雲国物語 はじまりの風は紅く』 / 雪乃紗衣
由羅カイリ(イラスト) / 角川ビーンズ文庫

今年はいわゆる新人さん、という方の本を何冊か読みましたが、その中で一番面白かったと思うのは雪乃さんの中華モノでした。私が中華モノ好き〜、というのも多大な影響を及ぼしていなくもないのですが(笑)。いろいろと賛否両論はあるようですが、個人的には純粋に続きが読みたいな、と思えたもので。続きが楽しみです。

【この作者さんので今年度他におすすめ本】
 『彩雲国物語 幽霊退治大作戦!


その他、これははずせないものをば今年は一言付きで。
(シリーズ物は、その一番新しいものを。思いついた順)。

須賀しのぶ 『天気晴朗なれど波高し。2
 ; ギャグ最高。笑い死にしそうでした。
一条理希 『ブルー・ムーンに口づけを 休日王子は夢に舞う
 ; これまたギャグ最高。貧乏っぷりに涙が出そうになる。
竹岡葉月 『なかないでストレイシープ 鏡の魔法と黒衣のドレス
 ; セリア最強。アットホームでありつつ波瀾万丈なところが◎。
今野緒雪 『マリア様がみてる レディ、GO!
 ; 祐巳ちゃんの妹は誰になるのかな〜。
谷瑞恵 『魔女の結婚 女神の島夜眠れ
 ; 想像不能の展開が素晴らしい。最後はハッピーエンドでひとつよろしくおねがいします。
橘香いくの 『翼のない天馬 サンク・ヴェリテの恋人たち
 ; シャロン最強。王子様なラウールにめろめろです(笑)。
田中芳樹 『王都炎上・王子二人 アルスラーン戦記1・2
 ; お涼もいいけどやっぱりアル戦は面白い!新刊が本当に待ち遠しい〜。


 まとめ

相も変わらずにたよーなラインナップでした。好みは一年や二年ではすぐに変わらないということでしょうか?個人的には一番悩んだのは一つ目になにを持ってくるか、でしょうかね。やはり、目立つ場所ですから。幻の将軍が今年刊行だったら迷ってないんですが、ちょっと昔のやつで今は少し手に入りにくいとなるとやっぱり躊躇してしまうわけで……。でも、結局自分の好みに忠実に突き進んでみました。適当に10個ほど選ぶのはそんなに苦労してません。

個人的には2003年もアホ(注:最上級の褒め言葉の一種)な本たちをたくさん読んだなぁ、という感想です。趣味の本に関しては、感想ある分だけで130冊強、去年よりは少なめでしょうか?2004年は2003年ほど本を読む暇がとれそうにないのですがマイペースに楽しんでいきたいと思います。趣味の本は息抜きとしてよまなやってられまへんからな〜。マジメな本も好きですが、堅すぎて肩が凝る……。

2004年の抱負は、「突っ走らない」。読もうかどうか迷っている本は周りの評判見てからにします(いろいろと思うところがあるらしい)。いろんな面白い本を読みたい!という欲求はやはり不滅のものですので、それなりに冒険はしてみたいのですが……。いろんなひとのおすすめ本をきちんとチェックしていきたいと思います。と、ここらへんで締めにしたいと思います。(Dec.31.2003)

本棚目録 / HOME